青木奈緒 著
「誰が袖 わが袖」拝読。
青木氏が普段着から
高級品まで、着物の作り手のもとを
訪問して、それぞれの
着物の面白さに迫っています。
これは大好きな伊勢木綿の工房。
私が愛用している
麻着物、新之助上布の作り手である
大西實氏の滋賀の工房も取材対象で
大西さんがよく即売会場で言っている
「迷うなら買わなくていい」
を、青木氏にも言ったことが
そのまま書かれていて
笑ってしまいました。
50年前のように誰もが着るわけではない
着物。
産業としては小さくなるばかりですが
その小さい中で信じられないような
繊細な技術を継承していっている
人たちの生活と言葉は興味深いです。
【幼い日に初めてのきものを
着せてもらい、自分の袖を
嬉しく左見右見(とみこうみ)
していた記憶を胸に】
とは著者あとがきを
締める言葉ですが、私のように
こうした幼い頃の体験がなくても
誇らしく着物を纏うことはあります。
着物が日常着でない今だからこそ
洋服とは異なる
奥行きを感じられる、それって
ときめきと言ってもいい感覚です。
DJ KAZURU
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