「母は不幸しか語らない」
信田さよ子 著
絶望感あふれるタイトルですね。
著者によると
ウーマンリブ、フェミストの主張が
台頭した1972年〜を
第一期として
母と娘の問題は、
1996年〜の
第二期、アダルトチルドレンブーム
2008年〜の
第三紀、母娘本ブーム
2012年〜の
第四紀、毒親本など
当事者体験記本ブーム
というようにある時期に
ある問題が集中して語られるようなのです。
母の存在が娘である自分を
苦しめるというのは、語りたくないけど
語らなければ自分が死んでしまうという
デリケートな問題で
カウンセラーである著者のもとに
寄せられた実例を読むと
暗澹たる気持ちになります。
妻と夫の間で解決すべき問題が
言いやすいから、自分を傷つけないから
という理由で娘に放出された結果
のように見えるのですが、実際
孤独な子育ての期間に
夫には期待できないことを
娘には負わせる構図ができたのでしょうね。
母たちだけが悪いとは言わないけど
どうして相手が娘となると
いくらでも横暴にわがままになれるのか
びっくりな事例がいっぱい有りました。
またカウンセラーのもとへ
相談に来る女性たちは
社会性もあるし、人間的に理性的な
人が多いような感じです。
共感力があるから
母親も理由があってこういうことを
言ってるのだろう、とか
思いやってしまうんですね。
それでうまく行けばいいけど
自分の人生犠牲にして
尽くしてくれる娘を嬉しく思うなら
母親のほうが間違ってますからね、もう
距離を置くべき。
本当にひどい事例が書かれてるので
親子の情とか美徳に
流されちゃいかんな、と思います。
DJ KAZURU
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