「スメラミシング」
小川哲 著、拝読。
色んなタイプの短編を
書く試みをした結果なのだろうけど
私は「地図と拳」からのファンなので
よくわからないものもありました。
「密林の殯」が
私は好きなタイプの小説で
配送の仕事を淡々としてる男の話です。
彼の家は代々天皇が崩御した時に
その棺を墓所まで運ぶお役目で
親たちはそのことを誇りにしている。
要するに自分は運ぶ仕事の
人間なのだと思い
効率よく仕事をしているのだけど
同僚が、ある配達先の女性は
風俗嬢だと突き止め
客として行こうと持ちかけられ
彼女の前でも結局
「神様を運ぶ仕事」の話をしてしまう。
「スメラミシング」は
コロナ禍で生まれ出た小説の
ひとつということになりますが、これも
悪くなかった。
ホテル勤務の男、
まったく宿泊数が埋まらなくなったことで
焦る支配人、
SNSで繋がりあった
ワクチン反対派などが登場し
閉塞感イコール自分みたいな
人たちばかりの話。
何を信じればいいのか
難しい世の中で、頑なに
自分の意見を曲げない人もいるんだけど
一方で誰かのことを盲信したりする。
まあ、コロナ騒動って
そういうことだったかも知れません。
DJ KAZURU
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