文庫復刊した「昭和史のおんな」。

澤地久枝が1980年代に書いた
事件簿ルポの文庫復刊。

様々な事件が取り上げられてる中
ハッとしたのは
女医のチフス饅頭事件。

2024年の朝ドラ「虎に翼」でも
出てきた裁判例ですね。

年上の女医に
将来の結婚をエサに長年貢がせて
女は籍は入ってないけど女房の
つもりでいたものの
男にその気がないと分かって
ついには
チフス菌を注射した饅頭を
食わせたってやつ。

女医の相手の男がクソ過ぎで
事件に至ったのがよくわかりました。
でも今だったら
男の立場が立たないから
自分が稼げるようになってから
結婚しよう、とかいう言葉に
騙されるってないと思うんですよね。

というか
こいつ逃げてるなって
すぐわかると思うんです。

ただ、家父長制度ってものが
大きくのしかかっているから
女医の方も、そうだよね、と
納得してしまうし
自分が金を出すのは
そっと、とか思っちゃうんですよね。

考えてみれば意にそわない結婚で
不幸になった女性の事件とかも
みんな家父長制のせいなんです。

男女のもつれは永久に続くと思いますが
昭和までの事件は、家父長制に
縛られてなければ別の局面を
見せたであろうなあ、と
いうことが多い気がしました。

あと
この頃って姦通罪が
女性にだけ科せられている時代なので
女が浮気した場合の
非難感がすごい。

男は浮気しても、そんなもの、だけど
女だと姦婦、みたいに
報道がなりがちなのも面白いですね。

DJ KAZURU