その1に続いて取り上げるのは、
Haila MompieとYenyValdesそしてYulaisy Mirandaの3人です。
1950年代のソノーラ・ポンセーニャの
リードボーカルであったセリア・クルース以来、
女性がキューバのバンドのメイン・ボーカリストを
務めることは、アナカオーナなど女性のみのバンドを
除いて長い間ありませんでした。
それを打破したのがバンボレオ時代のHaila。
その歌唱とともにデビュー当時はセリア・クルースの再来
と言われていましたが、昨今は貫禄もつき、まさに
セリア・クルースの様になってきています。
その後のキューバ音楽シーンは女性のボーカルが
続々と登場し、今やティンバ・バンドには必ず1人は
女性ボーカルがいるくらいになりました。
紹介曲はHailaの2024年発表のシングル「Llego la Mompie」。
なかなか良い曲です。
次に紹介するのは、Yeny Valdes。
男性バンドの筆頭であったLos Van Vanに
女性ボーカルが加入したことは、当時事件ともいえる騒ぎでした。
その後音程ピッチの安定度ではキューバNO1との高評価を得て、
自身のボーカルナンバーの大ヒットも加わって、
Los Van Vanにはなくてはならない存在になっていきました。
脱退後は新しい彼氏のバンドをバックに、
バンバン時代にはないタイプのサルサを肩の力を抜いて歌い、
いい感じの曲を発表しています「Maldita Noche」。
そして3人目はYulaisy Miranda 。
バンボレオからソロになり、
El Neneの有名ボーカリストを揃えた企画物にも
エントリーするほどに成長しています。
まだ作品は多くないのですが、その伸びやかでリズミックな歌唱は
デビュー当時のHailaと並ぶ逸材。
オマーラやハイラとも共演していて、
彼女の存在の高さがうかがえます。
今後、良い曲に恵まれれば、人気トップ・ボーカリストになれる
才能の持ち主です。
今回紹介した3人の共通するところは、
声と歌いまわしに特徴があり、
すぐに誰が歌っているのかわかる点。
また、そのボーカルを聴いているだけで心地よいところ。
これはトップ・ボーカリストの条件なのかもしれません。
(福田カズノブ)2025.1.10
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