2024年の話題その3は、El NinoとManolinです。
El Ninoはレべのリードボーカルから
ディレクトールと共に脱退し自身のバンドを結成、
一躍脚光を浴びてトップバンドに上り詰めた存在。
白人系なのに黒いボーカルがキューバ音楽ファンに受けて、
作曲にも才能を発揮していました。
2024年には初頭から素晴らしいシングル曲を
立て続けに発表していましたが、
クバディスコで賞を得られなかったことをSNSで批判し、
そのままマイアミに亡命してしまいました。
今から思えばその批判は、
マイアミに渡ってからマーケットに向かい入れてもらう為の
戦略だったと思われますが、キューバ音楽界はまた
トップ・アーティストを失ってしまったのです。
紹介曲「Preso (Tributo a José José)」は
2024年初頭のキューバ在住時代に発表したもの。
良い曲です。
そしてもう一人はManolin。
こちらはEl Ninoとは逆にマイアミからキューバに帰還組。
キューバにいてはお金にならないし、
世界マーケットには大きく出ていくことができない。
それを解決するためには、マイアミに行くしかないと考え、
亡命したのは良いのですが、現実は厳しく思うようにいかなくなり
キューバに戻ってきたというところです。
Rey Ruizのようにサルサに軸足をおいて
実績を積んでいった場合はともかく、
ティンバ勢がUSに住んで成功した事例は革命以降、
イサックを除いて皆無なのです。
帰ってきたManolinですが、
精力的にライブを行ってさらにアルバムも発表しましたが、
残念ながら亡命前の音楽を再度作るまでに至っていません。
「Me Falta La Habana」
よい音楽はキューバ在住の中でしか生まれないことは
都市伝説ではなく真実の一つのようです。
(福田カズノブ)2025.1.16
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