「不村家奇譚」
彩藤アザミ　著、拝読。

家に住み着いている
物の怪のせいで、一族のほかは
身障者しか入ることができない。

なぜならその物の怪は
人を喰うから。

稀に一族の長となるものに
身体的欠損が出るけれど
その代わりに類まれな才能を
もたらされる。

代々続く一族の不思議な
血の物語ってことっｄ
岩井志麻子の
「べっぴんぢごく」に
似てる気もするのだけど
ホラーのひとつの定型なのでしょうね。

この不村家は産婆の家系で
昔は五体満足でない子が産まれると
親には死産だったと言って
こっそり殺していたことから
憑き物一族になってしまったという
話です。

連作短編になっており
この家の娘を生涯かけて
見守った、使用人の中で唯一
健常者だった男の子との
話が素敵でしたね。

時は流れて、仮死状態のまま
小舟で水葬される女のところに
大人になった少年が
飛び乗り一緒に流されていく光景は
なんとも詩的。

こういう小説って自分で
手に取ることは殆どなくて
新聞やネットで話題になってたことから
読むのですが、最近の流行りが
透けて見えるような
気もします。

何度か読んでようやく
意味が理解できる文章が、時々
出てくるのですが、それも
最近の小説に多いような。

文章は修飾を控えて
わかりやすいのが一番。

DJ KAZURU