
金原ひとみ
「ミーツ・ザ・ワールド」
前作潜めていた
たたみかけるような
グルーヴ感が文章に戻ってきた。
やはり登場人物の
キャラクターに合わせてスピード感は
調節されてる感じ。この
グルーヴ感で読み進めるのが
もはや快感。
今回は新宿のホストや
キャバ嬢、ゲイなどの
生活圏に飛び込んで
自分を見つめ直す若い女性の話。
この女性が腐女子設定なので
よくわからないかなと思ったけど
考えてみれば
観劇マニアとかも似たような習性よね。
バーっと一気に読んじゃったんだけど
世間という実体のありそうで
無いものに気を遣って生きるなんて
クソだってことですね。
どう生きるかは勝手なんです。
ただ、どう生きたいかを
確定させるのがみんな難しいのね。
ここには寂しがり屋ばっかり
でてきますが、やりたいように
生きていても寂しくはなるんですね。
死にたくなっても
寂しさをここにあるものとして
受け止めるしか無いんだけどね。
今の若い人たちは
こういう悩み
みんな抱えてるんでしょうか。
私は死にたいとかいうの無いですが
死が割と現実的な年齢なので
進んで死にたくないだけかも。
死が隣に感じられないうちは
生きることを捨てたくなるんでしょうか。
娘と毒母っぽい関係も
出てくるんですが、これは
近年避けては通れない
テーマになってます。
親も人間だから難しい気はするんだけど
「望んだとおりになってくれて嬉しい」
または
「そうならずに残念」
どちらの感想を持ったとしても
「こういう子に育ってもらいたかったの」
と、子供に言うべきではないのだろうね。
こんなことも言えないって
子育て大変だな、と思うけど
仕方ないですね。
どれだけ気を遣っていても
親と子の関係というのは
大変なんだと思います。
DJ KAZURU
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