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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

日本のビアズリーと言われた
水島爾保布について俄然興味が湧きまして
文、谷崎潤一郎

挿絵、水島爾保布の
「人魚の嘆き」拝読。

オスカー・ワイルドとビアズリーの
「サロメ」は
日本でもだいぶ話題だったようで
1919年に刊行された本書も
完全に「それを目指して」美しい
寓話を世に出したい
ということだったのでしょう。

実際本文に「ビアヅレエ」と
出てきます。

共に三十代の仕事ですから
一世代前にでた「サロメ」に触発され
耽美で廃頽の香りのする一冊を
狙ったわけですね。

考えてみれば
世紀末的運命の女の物語というのは
谷崎潤一郎にぴったりなんです。

「人魚の嘆き」は主人公が
中国の富豪で、女にも
富に飽き飽きしている。
その設定も
エキゾチックで挿絵入りの物語としては
最高です。

そこへみすぼらしい白人が
水瓶に入った
人魚を連れてきて、これこそ
あなたの退屈を吹き飛ばす
歓びの極みだと言う⋯。

京劇に触れた経験
中国旅行、そうしたことが
谷崎のシノワズリー趣味を
大きくさせたのではないかと
解説にありました。

水島爾保布については
何も知らなかったのですが、士族の出で
漢籍に通じ
今の藝大で日本画を学んでいたようですが
ビアズリーに傾倒してこのような
画風になったと言うよりは
洋雑誌を色々見ていてたどり着いた
画風のようです。

一方江戸的素養も
万全だったようで、明治38年に
新版歌祭文と壷坂霊験記の
詩的絵葉書を出しているということは
歌舞伎、文楽にも詳しかったことでしょう。

小説はいわゆる変態性欲を
モチーフとしていたとかで
谷崎と呼応するところですが

「私は凡ての芸術を
変態性欲だと言いたい」

なる発言もあったようです。

そういえば本書には
現代で言うと丸尾末広の原型かしらと
思うような画風にも見えて
やはりビアズリーマニアが真似をしたというより
時勢と彼個人の趣味性が相まった結果
なんでしょうね。

ビアズリーのような
大胆なラインは確かに
類似を思わせますが、日本的な
エログロ感も濃厚。

芸術に秀でたインテリ
という水島爾保布像が
立ち上がってきます。

もう一篇収録されているのが
「魔術師」。

浅草六区の猥雑した地域に似てるといいながら
どこの国とも分からない場所で出会った
美しいカリスマ的な魔術師に魅入られて
彼の王国の一員となることを
望み、ついには半獣の姿となる男。

男に恋している女は
自分も半獣になることを願う‥そんな
耽美的な小説。

こちらの挿絵もなかなかでした。

大正時代っていうのは
実に文化が豊かでしたね。

軍国主義ではあっても
戦火にさらされておらず
他国の属国にもなっていなかったからこそ
日本語がこれだけ美しく発達し
エキゾチックな物語も誕生しました。

令和に復刊本を楽しめるなんて
夢の残り香を
味わうようなものです。

・・・

たとえばあの
ビアヅレエの描いた
the dancer’s reward と云ふ
繪の中にあるサロメのやうな
凄惨な苦笑ひを見せて
頻りに喉を鳴らしつゝ
次の一杯を促すのです。

(中略)

私はお前の神通力を見せて貰ひたいのだ。
お前の悪性に触れたいのだ。
お前がほんたうに不思議な
魔法を知っているなら、せめては
今宵一と夜なりとも人間の姿に
變ってくれ。
お前が實際放肆な情欲を持って居るなら
どうぞ其のやうに泣いて居ないで
私の戀を聽き入れてくれ。

・・・

東京堂でのビアズリー棚もなかなか。

DJ KAZURU


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