
作者の米原信は
現在、東大文学部在学中というので
先だって芥川賞を受賞した
鈴木結生氏のように
文学おませさん的な
文章かと思ってたら
非常に読みやすい文体でした。
「かぶきもん」。
作者はとにかく
歌舞伎が好きなんでしょうね。
寺子屋での
首実検。
お岩と伊右衛門の
凄絶な戸板返し。
このあたりは
歌舞伎座で拝見した舞台が
目の前にありありと浮かぶような
リアリティある描写でした。
三代目菊五郎
七代目團十郎
鶴屋南北
彼らの活躍した時代。
工夫に工夫を重ねて
歌舞伎芝居を面白くしようと
みんなが躍起になって
知恵を巡らしていた時代の
熱気が伝わってきます。
幕末の円熟を極め
エログロが頂点に達した時代ではなく
その前の時代の歌舞伎を舞台にしているのが
文章のライトさとぴったり合いますね。
全体に気取りのない
素直な文体に好感。
学生さんに松井今朝子みたいな
文章書かれても怖いしね。
【♪】
ただ、なぜ音符マーク出ちゃったかなあ。

ちょいとこれはいかがなものか。
DJ KAZURU
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