
金子國義✕四谷シモンを観に
恵比寿のギャラリーへ。

まるで小さな秘密基地。

魅力的な古書の棚もあって
釘付け。

澁澤龍彦や日影丈吉にまざって
皆川博子の「花闇」
初版本があったので
買いそうになってしまった。

四谷シモンに
歌舞伎の面白さを教えてくれた
金子國義との
セツ・モードセミナーでの出会いも書かれていましたが
当時の節モードや
文化服装学院ってのちの
大物同士が出会って青春してた
場だったんですよね。

ルミエールから独立した
マリコママの新宿二丁目ナジャでの話や
刺激的なマスカレードのエピソードも。

澁澤龍彦邸での
ツーショットが素敵でした。

当時のイベントや広告の
ワクワクが蘇るポスターも
見せていただきました。
広いスペースがあれば
飾りたいけどなあ。

2015年金子國義が亡くなった年に
描かれた画もありましたが
そのフレッシュさに感激。
お店の方の
ホスピタリティあふれる
おもてなしは、まるで
誰かのお宅に招かれた時の様で
心地よくギャラリーを
拝見できました。

後に分かったのですが
神保町に金子國義のギャラリー
ひぐらし、が
1997年にオープンしていたのですね。

今は閉じられていますが
オープニングのパンフレットを
隣の喫茶店のマスターが
保管していました。

文章が素敵なので
引用させていただきます。

いやあ、よく持っていてくださいました!
・・・
KUNIYOSHI KANEKO
Un raccourci vers des prédilections
金子國義
嗜好への近道
銀座界隈で遊んでいた
ませた中学生のころ、
舶来品が並んでいるお店の
ウインドウを見ては
胸をときめかせていた。
そんな時、お茶の水の大学に
通っていた兄に
「國義の好きな外国の雑誌や本があるよ」といわれ、
はじめて神保町の本屋街に行き、
欧米の雑誌や本のシャワーで洗礼を受けた。
学校へは行かなくても
神保町へは通う日がつづき、
僕の部屋にも外国の雑誌や挿絵本などが
少しづつ増えていった。
舶来嗜好の僕にも、お芝居や
歌舞音曲は生まれついて好きだったので、
古書店の昼でも暗い店の奥に
鏡花本や雪岱装の本清方の美しい木版装の本を見つけたとき、
西欧にはない粋で高等、
薄紅色や胡粉の白さやきらびきの艶やかさ、
銀砂子の美しさに
江戸や明治のあのでろりとした怪物の
とりこになってしまった。
軽妙でこっくりした装幀に出会い、
僕は、もう一度おさらいをしなくてはなるまいと思った。
それが、新派や芸者衆の、
をどりの美術の師匠に弟子入りするきっかけともなった。
いちど
日本の美を通り抜けてきた僕は、
油絵を描く上で、他のだれよりも
得をしているのかもしれない。
趣味、嗜好を同じくする
「書肆ひぐらし」の、
作品を常設する場所をつくりましょうとの好意で出来たのが
「美術倶楽部ひぐらし」です。
神保町に金子好みの店が出来る・・・。
こんなことってあるのですね。
ひとつの部屋が、生まれる。
本の街、神田神保町にさまよう者たちを蠱惑する
美の小箱となれば。
濃密な空間を演出するのは、画家金子國義。
大昔、この街の大空を
ひと跨ぎしたという巨人の足跡のように、
金子國義の名とともに残されんことを。
美術倶楽部ひぐらし
・・・
DJ KAZURU
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