桐野夏生 「IN」
著者自身と主人公を重ね合わさずに
読めって方が無理な内容なのでどうしても
桐野氏を想像してしまいました。
桐野氏とか小池真理子氏は、私にとって
自分より上の世代の恰好いい女性の代表です。
実人生を小説にするということの
虚構性について、また小説も実人生も
ごっちゃになりながら、闘って
生き抜いていくという選択をした男女の
生き様について、の
ダブルテーマが重くて重くて、読後感は
「ああ、狂乱なのね」です。
老女になっても執念や欲望は残るってことは
何となく想像つきます。そして
書き残すという行為にはどうしたって
ちょっと面白くしてやろうという厭らしさみたいな
ものが、つきまとうであろうことも。
だから日記なんて信用ならないものです。
もっといえば遺書にだってそこに真実が
書かれているとは限らないのだしさ。
(DJ KAZURU)
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