青山ブックセンターの平積み台にて
枡野浩一の帯コメントやらなんやらにひかれて
買ってみましたが、70年代の漫画って
濃密ですね!
作者の
牧美也子氏は松本零士氏の奥様らしいです。
いわゆる少女漫画なども書かれているようなので
全てが同じ作風ではないのでしょうが、これは
凄いです。
「化粧坂」なんて盲目の少女と
義父の間に生じる空気が完全に文学。
谷崎潤一郎かと思いました。
「白百合三代忌」は戦争で家族を失い
娼婦となった娘の話ですが、これは殆ど
「はだしのゲン」と
並ぶ偉大なる戦争漫画といえるでしょう。
牧美也子氏は
のちのレディース・コミックの源流とも
いわれているようですが、ヌード描写はあるものの
寧ろ日本文学の伝統をのっとった感じが致します。
中上健次の原作でATG映画の名作が幾つかありましたが
それとも近い濃厚なる情緒。すてき。
(DJ KAZURU)
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