中島京子 著
「小さいおうち」
昭和初期の日本というと、どうしても
戦争についてのことばかりフォーカスされますが
それは「戦地」の話であり、当然市井の人々の
歴史は異なった次元のものとして在ったわけです。
これは、まさに「市井の人々」目線での
美しい昭和の一時代。
この作品が直木賞受賞した際の
報道で多かったのは
「昭和の奥様のひそかな恋の話を
女中さんの語りを通して描いた」
みたいな感じだったように思うのですが
その奥様の恋心エピソードよりも、女中さんの
手仕事あれこれの描写が、とても
興味深く読めました。
たとえば、旦那様の会社の方が
お見えになったときの、お酒、肴の出し方。
お正月のお節は甘いものが多いから
〆には、これこれこうしたものを出せば喜ばれる、とか
どちらかといえば主婦の鑑ともいうべき
教えがいっぱい、大変参考になった次第。
それにしても「史実」なるものは
立場が変われば、同じ時代に
同じ空気を吸っていても、まったく
異なってくるものなのですね。
貧しいと思われていた時代の
彩り豊かな心情を可憐に残した
すてきな小説。
(DJ KAZURU)
KAZURUさんと、こちらのblogのファンでティンクーにもお邪魔してるものです。この本がここに載っていて…不思議なつながりを感じますが、とっても嬉しいです。
親戚なんです、作者。取り上げて下さってありがとうございます!では22日に・・
KAZURUさんと、こちらのblogのファンでティンクーにもお邪魔してるものです。この本がここに載っていて…不思議なつながりを感じますが、とっても嬉しいです。
親戚なんです、作者。取り上げて下さってありがとうございます!では22日に・・
yukie さま
実際に拝読したのはこのお正月ですが、直木賞受賞時から
気になっていた作品でした。とても上質なストーリですよね、
私の友人もとってもいいお話! と言っておりました。
そうですか、御親戚ですか~
こんな素敵な小説を書く方がご親族なんてうらやましいです。
今度のティンクーバで
お目にかかれるのを楽しみにしております。
いつもブログ読んでくださってありがとう!!
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