「ヴァレンタインズ」
オラフ・オラフソン著
アイスランドの作家さんなのですね
初めて拝読いたしました。
というのも
江國香織氏の
あまりにも魅力的な
書評に促されるように
購入したのです。
氏が仰るように
「何かが壊れるのではなく
そこなわれる瞬間」の物語。
若い人にはわかるまい、とでも
いうような、時を重ねることについての
短編集といってもいいでしょう。
一瞬に光を見出す恋愛にも
長年の時を紡ぐ結婚にも
時の積み重ねによってしか
生まれることのない感情は確かに
あるように思うのです。
このような物語に
呼応できるようになった自分そのものも
また、愛しい。
何も熱心に愛を叫ぶだけが
男女のかたちではないでしょう。
書評文はすべて引用したいくらいですが
冒頭だけでも。
「ひっそりして端正な、非常に
現代的な短編集だ。
抑制のきいた文章は
清潔で、こぶりできれいな
つめたいナイフを思わせる。
あるいは
あかるい月の光を。」
(DJ KAZURU)
Add A Comment