山本一力 著
「ほかげ橋夕景」拝読。
時代物のいいところは
現代ではお目にかかれなくなった
人情噺を素直に読めるところ。
この短編集では
特に、京都の芸子の髪結いで
名を挙げた職人が
江戸深川に戻って
技を伝授してゆく「不意峨朗」が
印象深い話でした。
仕事にかける情熱と創意工夫。
周囲の嫉妬もはねのける誠実さ
愚直さには
辰巳芸者のお姉さん方も
そりゃあ
ぐっときますわなあ。。。
傘職人が主人公の
「お燈まつり」なんかは主軸の
ストーリーをよそにしたら
まるで
レストランマナーの話でこれも
面白かった。
「いつもの、てえのは
客が言うことじゃねえ。
店のほうから
いつものにしやすか、と
問いかけるもんだ(中略)
自分から
常連客ぶるのは
野暮のきわみでやすぜ」
(DJ KAZURU)
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