江國香織著
「金平糖の降るところ」
「きらら」連載時にできる限り
読んでいたのですが
結局とびとびにしか読めず
単行本で最初から読み直し。
江國氏の小説に登場する
多くの女性は風変わりな
恋愛観を持っているように書かれますが
今回も、「13歳と11歳の時から」
ずっとボーイフレンドを共有し合ってきた
姉妹が中心であります。
舞台はアルゼンチンの
ブエノス・アイレス、東京、そして
日系移民が多いという町
エスコバル。
地球の裏側に降る金平糖。
スペイン語の表現もしばしば。
自分もいい年齢になってきて
思うことは、愛情の示し方や
愛する人とのつながり方というものは
ひどく個人的な方法であって
構わないということです。
恋人同士ならこうするべきだよね、とか
夫婦ならこうしたあり方が真っ当、などと
いうことはどこかの誰かが(もしかしたら
実践もせずに)唱えているだけのことなのだと。
常識という名のまやかしに縛られていては
心のままに誰かを思うことなど
不可能やもしれません。
江國氏の小説にはそんなことが
しっかりと
現れているかと存じます。
(DJ KAZURU)
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