谷崎潤一郎「細雪」拝読。
今まできちんと読んでいなかったのだね。
文字の一つ一つから
濃い花の香りが
ねっとりと立ち上がるような
重厚なな空気感。
どの言い回しが、というのではなく
どこを読んでも
独特の濃密さが纏わりついてくるよう。
上巻は4姉妹の三番目
雪子の見合いのすったもんだに
終始しますが(それにしても昭和初期
両家の子女の見合いというのは
こうまで面倒な手順を踏むもので
あったのか・・・)内容よりも
その色気ある文体に圧倒されます。
これに続く中巻は
芦屋近辺を襲った大水の
災害の描写などがありまして
3.11を経験した我々が
今読むと、多くを思いめぐらすことに
なるのは当然でしょう。
ところで
神戸の中華料理店で
見合い後の会食をするシーンが
出てきますが
私も神戸に行くと中華はマストです。
先日は元町裏にある
ディープな風情の庶民派広東料理店
香美園を訪問しました。
水餃子に焼きそばといった
普通のものがめちゃくちゃ
美味しくてびっくり。
地元民目線で探すと神戸中華は
本当に良くて
中華街で済ますなんていうのが
いちばん勿体ないことです。
(DJ KAZURU)
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