「新潮 2012・1月号」 は
大江健三郎と朝吹真理子の対談やら
古井由吉と
ピース又吉(読書家で有名らしい芸人)の対談やらが
掲載されてました。
前者には
賢い言葉の遣い手となりうる
若い人っているもんだなー、と
オバハンのように感心。そして後者には
老作家の語りの中に
確かに
信じられるものがありまして
子供のようにすがりつきたくなるのです。
・・・
文芸誌って
もはや虎視眈々とデビューを狙う
作家志望の人しか購入しないって
いうのは実際のことなのかな?
それって
DJ志望者しか来ないクラブイヴェントみたいな
感じだろうか。
私は単行本になる前に
好きな作家の新作を読めるから
買ってますけどね(気が向いた時だけ)。
今回は
西村賢太の短編「青痣」にまたまた大笑い。
これが文学なのか否か、もう
判断つかないのですが
例によって例のごとく同居の女の
些細な言動をきっかけとして
罵倒を始める主人公。
ここまで「女性性」の否定に及ぶ暴言を
吐けるのはある種才能・・・極めつけは
「黙れ、経血!」
でした。。。(実際言われるのと、大違いで
文字で読むと不思議と彼の暴言は
笑いにつながる)。
・・・
さて、今月号にて
思いがけず読んで引き込まれたのは
吉本ばなな嬢の短編「鬼っ子」。
表題は「ギフト」とかでも
ぴったりくるようなあたたかい話です。
一人の知人(この場合は親族だけど)の
人生と死を、このように見つめることが出来たら
なんて素晴らしいことかと感じ入りました。
人と人との交わりに正解はないとはいえ
多くの人が常識の線を守って生きようと
するもの。そこを
強靭な意志で、常識的ではないかもしれない
自分の生き方を
貫き、少ない数であっても他人に
納得させられたら充分なのだな。
家族間におこりやすい
「理解し合うべき、助け合うべき」
みたいな前提から起こる
すれ違いの感情を、細やかに丁寧に
描いているところも好きでした。
(DJ KAZURU)
Add A Comment