山田詠美著
「ジェントルマン」拝読。
新境地、じゃないですかね。
びっくりするほど今までにない
作品で、展開のスピード感にも
感激いたしました。
年末に中村文則氏の新作を
読んだこともあって(「迷宮」という
作品で、これは2時間ドラマに
するしかない、という
視覚的に刺激されるミステリー」)、そういえば
中村氏が好んでテーマにしそうな
善悪の問題でもあると
思い当たります。
詠美嬢の場合
美しい仮面の裏にある
悪意というものにとどまらず
男女の友情の問題、ゲイの
嫉妬心の問題、いろいろ孕んでいるところが
またよくて、特に
ノンケ女とゲイの男の友情については
微妙な均衡関係が描かれていて
実にリアル。
物語の終盤
畳み掛けるように
登場人物の心がさらけ出されて
唐突なしめくくりを迎えますが
この人間関係には、もう
この形しかない! という
素晴らしい最後。
(DJ KAZURU)
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