宮本輝 著 「花の降る午後」 拝読。
神戸、北野のフレンチレストランの
若き女主人の喪失と獲得の物語。
北野近辺の様子にふさわしい
ロマンティックでミステリアスな
美しさ。
宮本輝においては
もっとも読みやすいタイプの
作品ではないでしょうか。
泥臭い作品も好きだけど、これは
すうっと話に溶け込めて酔えます。
作者のあとがきにもありますが
善良に、一生懸命
生きている人たちが幸福になる物語。
この作品が書かれた1988年当時よりも
今のほうが
「北野坂のフレンチレストラン」は
数が多くなっているのでは。
さすがに時代の流れで今は
気軽な店も存在しますが
坂の上と下とでは
価格帯の差を感じます。
贅をつくしながら、ひっそりと
近隣の顧客を中心に
北野らしいありようでやっている
レストランも残っているのではないかな、と
そんな
ファンタジー。。。
(DJ KAZURU)
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