寿司職人の語る「おまかせコースの流れ」の話がDJの流れの組み立てを
彷彿とさせる、ということ以前にもしたと記憶しておりますが
今月の「料理王国」をご覧ください。
「すきやばし次郎」二郎翁のお話がまさにDJ的でした。
「うちのおまかせはね、(中略)ここで、どん、どん、どーん、と赤身・中トロ・トロを出して
第一の山場を作る。お客様がしみじみ美味しいという顔になったところで
コハダで締める。(中略)・・・で、昔ながらの江戸前の仕事が分かる穴子で
二つ目の山場(後略)」
ざっくばらんな抜粋にて恐縮ですが、こんな感じで語っておられました。
どんな最高級のネタであっても、
流れを作ることが重要なのだということを二郎翁はいつも教えてくれます。
そして、下仕事に手をかけることが大切であるということも。
魚は新鮮なほど旨い(それもある側面では真実なのですが)ということであるならば
漁師が船上でさばいた魚を食べるのが最高ということになるわけですが
スタートからラストの玉子まで、ひとつのドラマになるには二郎翁のような
分析と経験に基づいた構成力が必要なのです。
ただ、DJと比較しにくい点として、DJは1曲目からラストまで味わってもらえる機会は
少ないので、そこまで緻密なプログラミングが効果的かどうかは微妙です。
場のムードなるものもあるわけですし。
まあ二郎翁も20年かけて「現在のベスト」にたどりついた。
しかしまだ変化してゆくでしょうと仰っていることですし、正解は簡単には手に入らぬという事ですね。
精進、でしょうか。
・・・
さあ、今月も私のDJイベントが目前です。
先月は本当にどうかなってしまうようなフロアのグルーヴでした。
今月も知恵を総動員して下ごしらえしていますので
どうぞ宜しくお集まりくださいませ。今週土曜日、六本木コパカバーナにて開催です。
(DJ KAZURU)
Add A Comment