吉屋信子 著
「わすれなぐさ」 拝読。
乙女の小説? 昭和初期
女子高内での
三角関係めいたものに
小さな胸を痛める
少女たちの話です。
たわいないテーマかもしれないけれど
若いころの友人間での
立ち位置問題というものは
ある種時を経ても変わらないのかも。
嫉妬などというには
あまりにもか弱い感情がいとおしい。
お嬢様で女王様キャラの
女生徒が横浜の
ニューグランドでアペリティフを
嗜みながら冷製の前菜に
海老料理を選び、
グリルした肉の盛り合わせを
選んでいくさまなどは
実に痛快。
食べたいものをはっきりと
選び取る行為から、彼女の
自立性の高さがうかがえる
粋なシーンでした。
少女趣味というのもいろいろなのでしょうが
こんな少女趣味なら悪くないと
思える一冊。
しばしば登場する
当時のカタカナ英語表現が、これまた
魅力的なので、今の時代にこそ
読まれるべきかも知れません。
(DJ KAZURU)
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