7 days in HAVANA 鑑賞。
7人の監督、7作品、の
オムニバス映画。
2話にまたがって出演している
人物もいますが、ほぼ一話完結。
外国人目当ての売春婦。
兼業ミュージシャン。
カストロの長々とした演説。
国外脱出を夢見る人々。
ドラアグクイーンに騙される観光客。
不可解な宗教 等々
キューバならではのモチーフにあふれていますが
7話中、6話が
外国人監督(私は「金曜日」を担当した
「アレックス」のギャスパー・ノエ
くらいしか存じ上げませんでしたが
あれは素晴らしい映画だった)によるものなので
徹底したクールな外国人目線が
あったといっていいでしょう、それが
この映画の空気を静謐なものにしている。
私には
好感を持てた映画でしたので
メモを下に書いておきますが
8月4日の公開ということですので
見る予定の方は、パスしておいてくださいませ、では。
・・・
アメリカ人がキューバの家庭やクラブを
ふらふらするして売春にまきこまれそうになる
第一話。
華やかに生活に倦んだセルビアの映画監督が
運転手と心の交流に至る第二話。
成績のぱっとしない野球選手の
恋人との生活か、スペイン人のプロモーターの
女になって外国暮らしをするか、で揺れる
クラブ歌手の葛藤物語の第三話。
この前半3つが印象的。
第二話では
ぐっだぐだになってキューバに到着した
映画監督の運転手として雇われた
男が、監督を自分たちのパーティーへ
連れて行って、自分もトランペットを吹き始め
見事なジャムセッションを行います。
それは実に心ある音色で
生活に倦みきった東欧人監督の
心が溶け出すに十分であると思わせるものでした。
クレジット拝見して
この運転手兼トランぺッターが
アレキサンダー・アブルーだとわかって
「上手いわけだよ・・・(笑)」となったのですが
音楽が風景と溶け合って何とも良かった。
第三話は
ある種もっともキューバ的なテーマ。
観光客相手のクラブ歌手が、スペイン人の
目に留まって、スペインの店で歌手になることを
求められるわけですが、それは
スペイン人の女になることでもあり
野球選手の恋人との
熱い毎日にも未練がある彼女は
決めかねる。
珠玉のシーンは
彼女が店で「ラ・バルカ」を歌うシーン。
私はルイス・ミゲルのヴァージョン
「ロマンセ」収録のもので
聴き慣れている
ロベルト・カントラルの名曲であります。
切ない恋心とある種の諦観が
どばーっと出る歌。
キューバ人と触れ合って
未経験のものを知った「外国人」も
外国の風に触れた「キューバ人」も
大きく心を動かされ、それは
心酔といってもいいような感じですが
ピリオドが打たれたそのあとは、また
それぞれの生活に何事もなく
戻るであろう空気も感じられるのですね。
見えざる「ライン」のようなものが
陰影の中に感じ取れる、それがまた
美しい距離感である気がいたします。
(DJ KAZURU)
この映画面白そうですね。いつか観れるかな。チェックしておきます。
小さな映画館でやるようなタイプの映画です。アブルーの演技もなかなかですので、機会ありましたらご覧になってみて。
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