2007
WEA 8573847742
1, Cuando Nadie Me Ve
2, Hay Un Universo De Paquenas Cosas
3, Quisiera Ser
4, Llega, Llego Soledad
6, El alma Al Aire
7, Me Ire 5:58
8,Hicimos Un Trato
9, Tiene Que Ser Pecado
10, Silencio
良質のアルバムをいくつも製作しているサンスですので
難しいところですけれど、名曲にカテゴライズされるような曲の多さ、
歌唱の安定ぶり、全体の構成の美しさから言っても本作品は
間違いのない一枚、ということになるでしょう。
爽やかなギターを前面に押し出したバックトラックも
彼の歌声を引き立てるぎりぎりの厚みで
バランス最高だと思います。
2000年にリリースされたこの6枚目のオリジナルアルバムは
デビュー盤と聴き比べれば驚くくらい成長の跡が見られます。
もちろん彼の天賦の才はデビューのときも現在もほぼ変わらぬ輝きを
放ってはいるのですが、特に歌唱の面では美しさが格段に違います。
♯1、言わずと知れた名曲中の名曲。
アンプラグド・アルバムでも一曲目を飾っているこの曲は
サンスの美点が「全部盛り」状態でありまして、聴く者の
耳だけでなく心を引き込む名作です。
個人的には♯3、♯6、♯9あたりがツボですけれど
どの曲も洩れなくサンスの世界観(所謂切ない、に代表される)に浸れます。
切ないとは言っても彼の場合、いわゆるラテン的センティミエントとは
一線を画す哲学が垣間見えるところが面白いと思います。
スペイン人ですから中南米のラテンでもなく、白人のロックでもなく
黒人のソウルでもなく、しかしすべての要素に通ずる何かを
抱えているということはあるやも知れません。
例えばラテン音楽にまったく縁がないとしても
ソウルバラードを好んで聴かれる方の何割かは、サンスが
スペイン語で歌っている楽曲に惹かれることでしょう。
スペイン語で歌い続けているにも関わらず、トロピカル音楽としてではなく
世界中で彼の音楽が愛されていること
とても納得がいくのです。
*最後にこっそり入っているシークレット・トラックも
お忘れなきように。
(DJ KAZURU ★ 2007/09/13)
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