新潮 2013/1 号 で
家族と縁をきっていることが
周知である西村賢太氏が
20数年ぶりに便りの届いた
母親のことを小説に書いているというので
買ってみました。
家庭内暴力の果てに
決裂した母と息子。
その母がしたためた手紙に目を通し
一瞬センチメンタルな思いがよぎるも
「憤怒にも繋がりそうな
恥辱と云ったものを覚え」
「金銭の無心」を予想し
最終的に
「全く、気の利かねえババアだなあ」
とつぶやくに至るのですが
そこはかとなく
笑いを誘う短篇に満足。
悲惨な状況を
直接的ではない笑いにくるんで
差し出す、というのが
氏の才能のひとつと思われます。
新潮では
他にも「新しい世紀にデビューした作家」
の特集ということで
若い作家の新作が読めますが
さて
新世紀にデビューした
サルサ、キューバ音楽の
アーティストというと
どういった布陣になるでしょうか。
音楽の場合
配信、というそれまでとは
明らかに異なった
流通形態により「音楽」の
ありようも変わってますから
アーティスト単位というよりは
一曲単位の評価になってしまう
傾向をとめられないのは
じっくり音楽を作っている
アーティストさんたちには
お気の毒な今日この頃かもわかりません。
(DJ KAZURU)
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