高峰秀子って
大女優として名高いけれど
子役から活躍していたから
小学校にもいかれず
字を読むのも書くのも独学だったという
変わった経歴の持ち主。

しかし
彼女の文章を読むと
ほんの数行で
クレバーさが伝わる・・・とても
一般的な学業に従事できなかった
人とは思えません。
しかも稼いだ金は
養母に搾取されていたという、ううっ。

子供の時から大人の世界にいたというと
世渡り的なことに長けている人の
様な気がしちゃうものでうすが
まーったく感じさせない。きっと
本をいっぱい読んで
心を磨いたのだろうな、さすが
成瀬三喜男作品に17本も出た女優というべきか。

高峰秀子、７０歳代になって
書かれたこのエッセイ集も
非常に賢い女性の視点と
日常に潜む滑稽さみたいなものが
よく出ていて、大好き。
小さなひとつのことについて、軽く書きながした
エッセイではなく
話を膨らませて
ディープな話題まで、さらりと詰め込んである。
なかなかの書き手！

男だおんなだと分けるのは
野暮なことかもしれませんが、やはり
この
しなやかさが女性独特と感じます。

表紙が安野光雅なのもいいね！

最近安野氏の仕事を
「日曜美術館」で見たけど
お元気そうで、頼もしく思いました。
内海桂子さんといい
好奇心に忠実な老人、という佇まい。好きだ。

(DJ KAZURU)