平岩弓枝著 「女の河」拝読。
時代小説などでも
おなじみの平岩先生ですが
これは現代が舞台。
昭和50年あたりに新聞連載
されていたもののようです。
「冬のソナタ」と
「華麗なる一族」を
掛け合わせたような
スピード感ある
悲恋物にして閨閥物。
とある商事会社の社内抗争と
政治家の思惑が
おおいなる色と欲によって
若者の未来を奪い尽くすという話ですが
偶然の重なりや
交通事故、不治の病
複雑な血縁関係がちりばめられていて
韓流ドラマなみでありました。
イタリアやパリの風景も出てきて
海外旅行がまだ
贅沢な時代だったころの
雰囲気が味わえるのも面白い。
最近、日本の小説は
文芸色の強いものと
ライトノベルにきっちりわかれていて
振り分けられているがゆえに
ライトノベルのほうは正しい日本語も
文脈もあったものではないという感じ。
また
それで許されている雰囲気なのですが
ちょっと前までは
文芸作品と娯楽小説のいい所どりみたいな
中間小説がいっぱいあったのですよね。
内容はメロドラマだけど
文章の美しさは譲らない、そんな小説も
貴重ではないかな。
(DJ KAZURU)
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