今、もっとも気になる人のひとり
五木寛之氏。
仏教を深く極めた作家による
非常にわかりやすい
現在の世相を論じた本です。
自力でも他力でもない
その先にある無力(むりき)。
半分自力で半分他力ってことではないのです。
「無力(むりき)のちからを意識しないかぎり
社会全体が底なしの無力感にとらわれてしまうか
ヒステリックな有力感に走ろうとするか
そういう
二分法の選択に
なっていく気がしてししかたがないのです」
と、
「無力」のすすめをとく
五木氏の言葉には
なるほど考えさせられることが多くありました。
特に「絆」という言葉についての
論には、はっと致しました。なので
一部抜粋。
「絆は人間にとって心強い
孤立しがちな人にとって温かな
心の拠りどころ、という意味で
使われています。
けれど本来は(中略)犬や馬などの動物の
足を縛り、勝手に動けないようにする綱のこと
だったのです」
「私の世代では
‘肉親の絆に縛られて
郷里を出ることができない’
とか
ネガティヴな表現に使っていました。
(中略)だからこそ
人々は
絆から解放されたいという願いがあったのです。
そして
実際に現代においては家という観念が
すっかり薄くなってしまいました。それなのに
とてもポジティヴな用語のように
使われているのを聞くと、どうも
奇妙な感じがしてしまうのです」
(DJ KAZURU)
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