2012 COLIBRi CD377
1. La Abusadorcita
2. La Pelirroja
3. Que Seria de mi
4. La Descarga
5. Lola
6. Black or White
7. Regresa
8. Todo Esta Bien
9. Quiero Salir Esta Noche Contigo
10. Hay Que Recordar
11. Homenaje a Michel Legrand
クリマックスの5年ぶりとなる新作。
リーダーのヒラルド・ピロートはティンバの基礎を創りだした
NG LA BANDAのドラマーからイサック・バンドを経て、
自身のバンドを結成し、デビュー作セカンド作と立て続けに
傑作を発表。その時の方法論は今から思えば15年早く、
この作品でようやく時代が彼のセンスに追いついたといえるようで
まさにティンバが滅びずに進化した姿を
提示することができたといえる傑作です。
聴きどころは多岐にわたっているのでここでは幾つかのポイントを。
まず注意を払って聴いてほしいのはリズムアンサンブル。
1曲目から複合リズムであるポリリズムが全開しています。
ピロートはドラマーとして実験的な演奏をずっと行ってきた人で、
強く早く多くたたくのではなく
曲のアンサンブルとしてのドラムを追求しています。
ベネズエラのグアコにも共通するリズムアンサンブルは
この部分だけでも音楽の進化を表現しています。
もう一つの注目は
クリマックス第二のアレンジャー、ジョセフ・ディアス。
彼のアレンジは疾走感とグルーヴにあふれ、
マノリートやマイケルブランコにも引けをとらないものをもっています。
これが、ピロートの複雑で乗りにくい部分を
逆に魅力的にみせているのです。
さらに注目すべきは、
チャランガ・アバネーラから移籍したノエル・ディアス。
彼のペンによるナンバーがことのほか素晴らしく、
作曲の才能が開花しています。
現在のクリマックスは、
ピロートを含め2メロディメーカーで2アレンジャー体制となって
2バンドできる才能の結集といった様相になっているのです。
これがティンバをさらに進化させたアルバムを創りえた原動力でしょう。
(福田カズノブ)
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