桜木紫乃 著
「凍原」 拝読。
北を舞台に
湿度の高い男女関係を
書く作家さんという印象でしたけど
いわゆる
刑事ものも書いていました。
人間が生きなおすということは
出来るのか。
与えられた宿命から
逃れて生を見つめなおすことは
可能なのか。
重いテーマ・・・
戦後樺太から
引き揚げてきた
女性の困難な生活にはじまり
人間関係が
希薄でも社会は保たれている
現代の日本までを描いています。
肝心の「殺意」の部分が
どうも最後まで
感情移入しにくかったけれど
どうにもならない恋というもの、また
他人同士でも生まれる
情というものに着眼すれば
ミステリーとは別のものがたりとして
ぐいぐい来ます。
(DJ KAZURU)
Add A Comment