白と赤のいいところを
兼ね備えているような顔で
結局どんな料理にも
合わなくて使えないロゼ。
という感じで
敬遠していますけれど
このロゼは上々。
オー・バイィのロゼ。
良いワインであることのひとつとして
複雑な味わいが感じられるという
ことがあるかと思います。
これも
ほんの少し、木の香り
スミレ、カカオ、バラ
そんな感じ。
今月の新潮。
大江健三郎氏のインタビューなど。
老境に達した作家の言葉の重さ
そこかしこに希望を感じる内容でした。
連載物では
島尾ミホについての考察
「死の棘の謎」が興味深く
ミホは夫の女性関係疑惑を
抱き、夫の日記帳に
夫へ
表面でハ 如何様であらうとも
失はれた信頼と
心に染みついた
疑惑の影ハ
生涯晴れますまいよ
昭和二十二年一月二十二日午後四時
ミホ
と
書きこんだという話に
どひゃっとなりました。
妻が妻なら夫も夫で
悪趣味にも
島尾敏雄はミホが
覗き見るのを承知で
日記に衝撃的な内容を
敢えて書いていたフシもあるとか・・・
旅先で
宿泊した旅館の女中にも
わざと
女中さんにときめいているような
文章をノートに書き広げておいて
彼女の反応を観察するのという。
精神科に入院したミホについて
敏雄は
私はどんなことがあっても
妻のかたわらで
彼女の反応のすべてを
そして
彼女の容態の変化を
克明に観察しなければならない。
観察は同時に受苦であるが
それによってのみ
私と妻の現実を動かしていくことができる。
との文章を残しています。
妻と夫の愛というには
壮絶すぎる。
(DJ KAZURU)
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