1997
VICP-60109
1. WHAT YOU WON’T DO FOR LOVE
2, CARRASCO
3. WE’RE GONNA GET IT RIGHT
4. CAN’T HIDE LOVE
5. MONTEVIDEO
6. AND THE MELODY LINGERS ON(A NIGHT IN TUNISIA)
7. BEAN BURRITO
8. DON’T YOU WORRY ‘BOUT A THING
9. AMAZONAS
10.BACKDOOR MAN
( ジャンルとしての )フュージョン音楽を代表するような
ギタリストのハイラム・ブロックが自ら 「 スパニッシュ・アルバム 」 と
コンセプトを打ち立てて発表したのがこの作品。
都会的で、聴きやすい大人のための
フュージョンとしてももちろん充実したアルバムでありますが
ラテン音楽のエッセンス、中でもアフロ・キューバンの要素が
美しく感じられ、ラテン音楽愛好家にも見逃せない一枚となりました。
なぜ彼がこういったアルバムを作ろうとしたか
興味深いところですが、ハイラムはなんと大阪で産声を上げ
その後パナマ共和国で育ち、さらにウルグアイ( カラスコ、とは
すなわちウルグアイの海岸にある街の名。また♯5の
モンテビデオとはその行楽地 ) へ渡ったという
経緯があり、その後さらに移り住んだのが
マイアミ、NY とくれば、おのずとラテン音楽が彼の音楽性に
影響を及ぼしてきたであろうとことは想像に難くありません。
ハイラム独特の倦怠感を漂わせた
フレージングとラテンの要素があいまって、なんとも
クール。
時折、他ジャンルで活躍している音楽家が
思い入れたっぷりに、ラテン音楽一筋に
突き詰めている音楽家には思いつかないようなことを
すうっと、やってしまうことがありますが
本作はまさにそういった趣。
タニア・マリア・バンドのベーシストや
パキート・デ・リベーラ・バンドのパーカッショニストなど
共演者は充実。選曲も 「 風のシルエット 」 から
スティービー・ワンダーの名曲まで
これがラテンになったら面白いだろうと思わせるものを
きちんと取り入れているというぬかりのなさで
その一流ぶりを見せ付けられた気が致します。
(DJ KAZURU ★ 2007/01/02)
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