TIM★CUBA Music of the Year 2013 ベスト5の発表です。
第5位はEnrique Alvarez y su Charanga Latina
「Cada loco con su Tema」
エンリケ・アルバレスはアダルベルト・アルバレスの兄弟で
バイオリン奏者。彼のバンドは本来チャランガ系のソンを演奏する
バンドだったはずですが今作はびっくりのティンバ。
ティンバといってもジャズやレゲトンとミックスしてのティンバではなく、
そこはチャランガ・ソンをベースにしたもの。
息子の志向が前面に反映されたのだと想像しますが、
まったく別のバンドになっています。
ボーカルも曲によってかわり楽曲もバラエティにとんでいて
ティンバアルバムとして聴きごたえのある作品になっています。
第4位はCuban Salsa All Stars「Tumbao Pal Bailador」
Mauricio C DiazとManolito Simonetが共同プロデュースし、
Alexander Abreu、Tania Pantoja、Pedrito Calvo、El Indio、
Maykel Blancoなどが参加した企画物。
全て新録、渋めのキューバンが満載。マノリート・シモネーの
ディレクションが行き届いていてトラブーコのバックに豪華ゲスト歌手が
次々に登場したかのような音になっています。
ティンバというより、これぞソン・クバーノといった名盤。
第3位はGiraldo Piloto & Klimax「Todo Esta Bien」
クリマックスが放つ2013年時点の最高のティンバ・アルバム。
2000年以前にデビューして全盛期を迎えたバンドが
いまだ最先端の音を創りだしているという稀有な存在。
ピロートの音楽的センスは計り知れないものがあります。
キーボード奏者でアレンジャーでもあるYusef Diaz、
チャランガ・アバネーラから移籍のNoelと自身のバンドを
もってもよいレベルのメンバーも強力。
順位は第3位ですが音楽的には最高な1枚。
傑作ティンバアルバムです。
第2位はMaykel Blanco y su Salsa Mayor「A Toda Maquina」
マイケルブランコの快進撃が一時的なものでないことを証明した大傑作。
今やハバナ・デ・プリメーラと並んでキューバのトップであることに
異論のある人はいないでしょう。
ロスバンバン、プピを凌ぐグルーヴをもちながら
マノリート、クリマックス級の素晴らしいメロディを併せ持つ楽曲の数々。
マイケルブランコがそれを生み出すことができるのは
彼がキーボード奏者でありながらパーカッションも凄腕であること、
NGのトスコなどからディレクションを学んだこと
などが開花したからでしょう。
マイケルブランコの最高作にして最高のティンバアルバム。
第1位はAlexander Abreu y Havana d Primera「Pasaporte」
ソン、ルンバ、ジャズ、ヌエバトローバ全てのキューバ音楽を昇華して
ティンバ(フュージョン)したサウンドは圧巻。
1980年代後半にNGのトスコによって実験的に生まれたティンバは
35年経ってハバナデプリメーラの作品に至ったといってよいほどの内容。
ルンバ色の強いボーカル、分厚いコロ、
重量級のリズムセクションと圧倒的なホーン。
全盛期のキューババンドのライブを日本で見ることのできた2013年
は最高な年だったと記憶されるでしょう。そしてこの作品は現時点で
アレキサンデル・アブレウの最高傑作でティンバ史に残る名盤ですが
まだまださらに素晴らしい作品が生み出されそうな勢いが
彼らにはあります。
特別賞はVitaly y su Timba Habanera「Para Ti」
通常流通ルートに乗っていないので特別賞としました。
内容はディスク・レビュー参照。この1枚も素晴らしい作品です。
第5位から1位は企画物1作、ベテラン2作そしてトップバンドが
それにふさわしい内容の2作となりました。特に1位から3位は
甲乙つけがたい傑作ばかりでどの作品が1位でもよい内容。
ティンバ史に残る作品が年間に3枚生まれるのは
本当にうれしい限りです。
2013年は、まだまだティンバに未来はあると確信した年でした。
2013年のベストと最近の新作キューバンは下記イベントで。
2014年1月25日(土)20:00-24:00 TIM★CUBA@Salsa Sudada
(福田カズノブ)
Add A Comment