内田洋子著
「皿の中に、イタリア」拝読。
わくわくする。
イタリア各地で熱烈な食体験を
してきた著者によるエッセイ、でも
気の利いた短編集という感じ。
「旅行者」ではなく「住人」に
なっていないと経験できないだろうな
と
思うようなエピソードばかり。
わたくしも数年前から
イタリアワインを集中して飲んできたので
プーリア、リグリア、サルディーニャ島
などの地名が出るたびに
ワインの性質と気候を
関連付けながら読むことができ
ぐいぐい引き込まれました。
登場人物も
魅力的なことこの上なくて
気難しい魚屋の三兄弟、
固く乾ききったパンも
ごちそうにかえてしまうお母さん、
勇敢な女性ジャーナリスト、
金持ちの家に生まれたがために
食を拒否してしまう女性・・・
どんな人との出会いからも
何とか楽しい食事のひとときを
得ようと奮闘する著者のバイタリティにも
また敬服。
レストランのメニュウから
いかに美味しく満足できる一皿を
選び出せるか、そんな
能力が身についているひとなら
多くいると思うのだけれど
生活の中でいかに
力強い料理と出くわせるかってこととなると
なかなか難しいかも。
そういった意味でも
この著者かなりの達人。
力のある料理との出会い。
豊かに生きる人々との出会い。
これをモノにするってことは
ほぼイコールみたい。
(DJ KAZURU)
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