「まいにち、パン。」
城田 幸信 著
日本人ならば
誰だって
アンデルセンのパンを
食べた経験あるでしょう。
そのアンデルセンに16歳で入社
黎明期を支えた職人が
現在70歳代の城田氏。
これは
城田哲学の本、といってもいい。
そもそも
アンデルセンが広島のベーカリーで
あったことを初めて知りました。
少年の城田氏がひたむきに
パンの基礎を学び、清掃も含めて
丁寧に仕事を身につけてきたこと
貴く思いますが、なにせ
昭和三十年代のことですから
技術と知識を
学ぶこと自体が四苦八苦なのですね。
アメリカへ渡って
技術を何とかものにして
日本で再現する。
これだけのことがとても大変だった時代。
パン作りに失敗はつきもの。
そのとき
「うまくいかなかったから、もう一回」
というだけでは
パンはよくなりません。
ただ挑戦するだけでは
同じ失敗を繰り返してしまいがち。
なぜ失敗したか
その理由を考え
自分なりに仮説を立てて
それに基づいて、もう一度やってみる。
その積み重ねが一番大切なこと。
この人生訓のような
言葉が示す通り、城田氏は
いつも
より良いパンのために頭フル回転。
美しい絵画のようにも見える
記録ノートからも
賢い職人の姿が浮かび上がります。
かの有名な
ダークチェリーのペストリーも
城田氏が考案したそうですが
その陰で
定番化するどころか
消えていく商品も多数。
が、
一瞬世に出ただけで
消えたパンたちの記録も
彼のノートには
つけられているとのこと。
ものすごい歴史!
日本の遺産にしたい!
(DJ KAZURU)
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