皆川博子著
「鳥少年」拝読。
いつもながら
目の覚めるような
キレキレの短編集。
まずは
文体が美しいのが
読んでいて快感。
けして美文調ってことではなく
日本語っていいなあ、と
思えます。
そして
人間てこんなにも
あらゆる感情を隠し持っているんだ!
と、気が付くときの恐ろしさ。
あたりまえに生きているだけだと
発露の仕様もない
感情のあれやこれやが
詰まっています。
皆川氏は
現在80歳代、この感性は
長年衰えしらず。
ちょっと売れていなかった
ある時期、編集者に
「皆川さんの書きたいことは書くな」
と言われたことがあったそうで
「あなたが
こんなつまらないことは
書きたくない、と
思うようなことを書けば
読者は楽に読める」
と諭されたそう。
どうしようもない編集者の発言に
思えますが、それだけ
皆川氏の頭の中が
特異なほどに研ぎ澄まされているって
ことだと思います。
(DJ KAZURU)
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