1974
BG-1001
1. BEEN HAD
2. CAN’T MAKE IT
3. RITMO DEL CORAZON
4. GET IT ON
5. NINA
6. IT’S THE MUSIC
7. SAPO’S MONTUNO
8. WISHBONE
ラテン・ロックの名盤。
チカーノ・ロックの魅力を世に知らしめた
グループは
この、SAPOのほかにも
El Chicano はたまた Tierra あたりが
同様の魅力を有しており
素晴らしいと感じていますが
とにかく生命力の溢れ方が
ハンパないといいますか、1 曲目を
聴いただけでもガツーンとやられてしまう
気迫があるのですね。
そして、その燃えさかるような
テンションにひきつけられたかと思うと
♯2 のメロウな展開でまたまた
意表をつかれてしまう。
さらに、最もレア・グルーヴに近い
テイストをかもし出す♯3 へと
続けるこの感性。
なんと美しいのでしょう ( ♯3は突然うって変わる
後半部分の展開にも注目。ホーン・ソロなども含めクール )。
ロックとくくってしまうには
あまりに豊かな引き出しを
持っているグループです。
ところで、私は
世で言うところの 「 ロック 」 なる音が
どうしても好きになれないタイプの
偏狭なリスナーでありますが
その原因は、短調なリズムと
「 白っぽさ 」 にあると
自己分析しております。
しかし
SAPO はアフロ・キューバンはもちろん
ラテンのリズムを駆使していますので
倦んでいる暇などありません。
ホーンの厚さからは
ファンクなイメージも強く引き出されますし、
グルーヴ的にも黒い部分がありまして、ロックとは
むしろ言いがたいのかも知れません。
そして、とても艶っぽさが全体に感じられます。
いわゆるチカーノ・ロックは
1970 年前後にブームを起こした音ですが
当時を体験していない我々にも
刺激を充分に与えてくれる魅力を備えていることが
この 1 枚を耳にしていただくだけでも
お分かりいただけることでしょう。
音楽とは、間違いなく常に進化していくべきものですが
こういった、美しい時代があったのだということを
知るために時間を割くことも
なかなかに有意義なことです。
(DJ KAZURU ★ 2006/06/12)
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