森光子 著
「吉原花魁日記」 拝読。
朝ドラで
深く知られるようになった
柳原白蓮による
和歌と文章が添えられた
遊女の日記。
吉原で身を売っていた人というと
学問もなにもないまま
働かされている女性だと
思っていましたが
この日記をしたためた
女性は19歳で売られたというから
かなり年増、そして
文章が実にしっかりしているので
ちょっと特殊な印象。
大正期の吉原には
こんな人もけっこういたのかしら。
ちょっと不明ですが。
朝ドラ「花子とアン」で
白蓮のもとにある日
吉原から足抜けしてきた女性が
駆け込んでくる(壇蜜さんが演じていた)
というシーンが
ありましたが
あれはこの話だったのか?
ともかく
「完全に騙されて売られた」ことに
始まり、廓での
食事、入浴、毎月の病院でのこと、
客とのあれやこれや・・・が
詳細につづられていて
記録としての価値が高そう。
完全に娼妓に不利な
楼主主導の「金勘定」のもと
いかに不当な労働を
させられていたかも
文章からわかります。
女郎はいくら働いても
借金だけが増える仕組みを
国全体で
つくりあげたと言っていいでしょう。
これって
ほんの百年前の話なんだよな、と
思うと
ものすごーく
考えさせられます。
ちなみに作者は
勇気を出して、足抜けを決意。
柳原白蓮のもとに
駆け込んだのち
自由廃業の運動をすすめていた
外務省の役人と結婚したとか。
こんな苦界にあっても
出会いがあり、結婚もできて
ほんとうによかった・・・と
思いましたが
これが原因となり
お相手は外務省を追われたという。
外務省のみなさまは
彼女を
牛か馬かのように
思ったのでしょうか。
(DJ KAZURU)
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