「赤と青のガウン」
彬子女王 著 拝読。
わたくしは彬子女王が大好き。
教養高く、伝え聞く
活動内容からも
日本の皇室において
たいへん頼もしい存在だと感じていました。
御著書のタイトルは
オクスフォードの博士号授与式で
博士課程を成し遂げたものだけが
着用を許される上着のことですが
今回、この
5年に及ぶ留学手記を
拝読して
ますます尊敬のきもちを
持ちました。
留学記と言っても
どこに住むの?
護衛はどうするの?
日々の生活は? といった
誰もが持つ
皇室へのギモンが生じるわけですが
これらについては
分かりやすく説明されており
意外に知らなかった
皇室の決まりごとがわかります。
エリザベス女王とのお茶会やら
孤独な研究生活で病んでしまったことや
現地でつながった
友人たちとの交流のこと
オックスフォードならではの
習慣について・・・
などなど
興味深い出来事が
山ほど出てきて
実に面白い読み物!
彬子女王は
日本美術が海外でどのような
評価をされていたか、を
大英博物館を中心に
御研究されていたようですが
日本でも
近年評価の高い
ジョー・ブライス氏の若冲コレクションのことも
出てきました。
江戸期の美術を
鑑賞するとは
どういうことなのか。
ハッとするような
言葉も飛び出します。
大英博物館で
ボランティア・スタッフもなさっていた
彬子女王が
自らの力で
埋もれていた作品(焼失した法隆寺の
壁画のうつし)を見つけだした
くだりなど
こちらまで感激。
ああいった美術館では
日の目を見るのは
所蔵の1割程度で、収蔵庫に
眠ったままのもが
ほとんどなんだそう。彬子女王
なかなかの偉業です。
ある種、孤独な研究生活を
送られていたわけですが、ご自分の
意志を、流されることなく
貫いて努力するご様子
心から尊敬しました。
つねに
皇族の一員であることの
さだめというか、役目を
意識しつつも
ああ、わたくしたちと
何も変わらないひとりの
女性なんだな、という
心のひだも、臆せず明らかにされる。
なんとも豊かで
すてきな女性です。
(DJ KAZURU)
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