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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

相撲記

2015-0207sumouki

舟橋聖一著
「相撲記」 拝読。

今年に入ってからも
横綱による
審判批判が問題に。

そもそも
行司の決定権はどこまで
重要視されるのか、物言い後
審判の話し合いは
どういった基準で
行われるのか、ということが
わからないまま
「審判に反論するのはいかん」

言っていても
始まらない気がいたします。

舟橋聖一は
「芸者小夏」など、花柳小説で
有名な方ですが
幼少期から
相撲部屋のお向いさんで育ち
角界とのかかわりは
筋金入り。

昭和16年から18年にわたり
書かれた本ですから
ビデオ判定などが
なかったころですけど
本書には
相撲の成り立ちから
昭和初期までの
相撲のありようが
しっかり説明されていて
なるほど! と
思うこと多々。

まず
物言いについてですが

舟橋氏は

「物言いの気分というのは
必ずしも嫌いでない」

と、し

「その評議は
数万の観客の凝視の
真只中で行われている」

ことから
観客サイドも
想像力を大いに働かせ
これを愉しむのが妙味であり
こういう時間を面白く過ごせないものは
見巧者ではないらしい。

行司の審判は

「確定的ではなく
暫定的」

勝負検査役は5名で
これに行司を加えて
多数決にするか否か。

つまり
行司に「一票を投じる権利が
あるかどうかが
昭和16年の夏場所で議論になっており
当時の座談会を
文章化したものが
引用されており大変興味深い(結果
行司に一票はない、ということに
おさまり、式守伊之助は
不服顔であったという)。

しかし
時代をさかのぼれば
「取り直し」などというものは
最近のことで
「分け」や
「預かり」
というシステムで
「半星」なる結果も
あったそうです。

他にも
「仕切り」についてや
相撲取りの日常が
事細かに書かれております。

読み物として
引き付けられる部分が
おおいことが
「解説本」との差でしょうか。

昭和11年に
来日したジャン・コクトオが
その後、日本の伝統的な文化について
多数の言葉を残したことは
「江戸っ子芸者一代記」
で知っていましたが
舟橋氏も
コクトオの「日本印象記」を
引用しています。

浄めの塩を
土俵へ振りまいてしまふと
両力士は股を広げ
両手を腿に当て
悠々と力を込めて
交互に片足づつを踏みしめる。

この熊踊が
彼らの筋肉を準備する。
彼らは向ひあって
身をかがめ
何か絶好の一瞬を
「バランスの奇跡」を
気合いの投合を待つものらしい

(堀口大學訳)

バランスの奇跡とは
よくもいったもので
まことにその通りである。

通りすがりの一外国詩人の
詩的観察でさえ
斯くも肯綮にあたることがあるのに
長い間相撲をとっていながら
立会とは
バランスの奇跡であるという意味さえ
まだ、のみこめないような
下手な立ち合いをしている力士は
恥を知らなければならない。

こんな調子で
美しく相撲の魅力を
解き明かしてくれる作家が
いたのだな。

現代の相撲には
曖昧さが許されにくいのだろうし
現代なりのルールがあるのでしょうが
江戸期からの相撲の
歴史を抜きに現状だけ見ていても
楽しみは少ない気がしました。

ところで
舟橋氏が多く作品を書いているのに
現在、文庫などでは
わずかの作品しか出版されておらず
とても残念。
復刊希望!!!

(DJ KAZURU)


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