「一絃の琴」
宮尾登美子 著
拝読。
大好きな宮尾登美子の
代表作のひとつですが
これは
ある程度
邦楽の知識を
得てから読みたいと
思っていた作品。
土佐で
一弦琴の習得と
伝導に身をささげた
女性たちの話。
宮尾文学の定石通り
これも
女の一生、です。
女の徳と操。
そして執念。
維新の前後で
士族の人達は
それまでの身分をある種
失いつつも
心では忘れなかったわけで
そのあたりの
葛藤の描かれ方が興味深かった。
維新といい
昭和の敗戦後といい
耐えがたい「転換期」を
経験した人の
心もようにも迫っています。
維新前後から昭和初期の
土佐の女のはなしですから
当然、男をたてて
自分は控えて
下がっているというような
「古い」女性たちでは
あるのだけれど
信念を曲げることなく
自分の道を進んだ
女性の話でもあります。
だから
いま読んでも日本の女ならば
面白い!って思うのでしょう。
宮尾登美子を読んで
その世界に引き込まれるたびに
自分の日本の女としての
DNAを再確認します。
いずれ高知にもいってみたいな。
(DJ KAZURU)
Add A Comment