2008
PLT182EXP
1.Anda Y Pegate
2.Si Le Gusta Repite
3.Yo Como Candela
4.Debajo De La Balacera
5.Adivina Papa
6.Como Yo Gozo Y Retozo
7.Mi Destino
8.Maricela
9.Bajito De Sal
10.Deja La Duda
11.Quitate Que Vengo Volao
12.Seras
Maikel Blanco y su Salsa Mayor のプラネットレーベル
スタジオ録音盤。
マイケル・ブランコは1981年ハバナ生まれ。
1999年にSuprema Leyを結成し、スペインのレーベル、
エンビーディアの専属アーティストと して
各種のアルバムに参加しながらSuprema Leyとして、
「 Ya Llegaron los cubanos 」(2003年)
「 Me Olvide Quien Era 」(リリースは遅く2008年)
の2枚を出していました。
このバンドはややソン寄りのティンバで
マイケルの音楽的な才能は垣間見れましたが、
ソロアルバムという感触のものでした。
その後2004年にSalsaMayorを立ち上げ
2007年には「 Recoge y Vete 」をリリース。
ライブ盤「 Recoge y Vete Live」も別レーベルから出されました。
このバンドは Suprema Leyが
スタジオバンド的な音づくりだったのに対し、
ライブを基調とした勢いのあるティンバがメインでした。
そしてイタリアのプラネット・レコード社に
移籍しての新作がこの作品です。
その内容はいままでが全て 準備段階のものだった
といえるような傑作となっていました。
マイケル・ブランコはキューバの音楽学校出身で、
パーカッショニスト、ピアニスト、作曲、アレンジもこなし
歌も唄うというマルチ・ミュージシャン。
若くして自身のバンドを持ち、
トスコ=ホセ・ルイス・コルテスの再来と言われ、
久しぶりに登場した次世代の逸材として評判になりましたが、
その実力が現れたのがまさに本作なのです 。
キューバ国内ではライブやヒット曲が
そのバンドの評価を決定づけますが
今作の1曲目タイトル・ソング
「 Anda y Pegate 」の スマッシュ・ヒットと 強力なライブ演奏が
Maikel Blanco y suSalsa Mayor を 一気にトップ・バンドへと
押し上げたのです。
その音楽性は、ロス・バン・バンと
プーピの中間といったところ。
ホーン・セクションはトロンボーンとトランペット
なので編成はプーピ型に 近く曲調はバンバンにも近い感じです。
このバンドの特筆すべき点は、
全てマイケル・ブランコと同世代の若手がメンバーであるところ。
昨今のキューバのバンドはバンド・マスターが大御所で
メンバーが若手という布陣が殆どですが、
この Salsa Mayor はリーダーとメンバー がともに若く、
ティンバの誕生期である
1990 年代中頃のバンドの状態と同じなのです。
シーンの活性化には若手バンドの台頭が不可欠。
いつまでも、バン・バン、マノリート、
チャランガ、バンボレオでは
10年前となにも変わらないことになってしまいます。
サウンドの個性はこれからとして、
若いトップ・バンド・リーダーの登場を
手放しで歓迎したいと思います。
( 福田カズノブ★2008/12/14 )(2015/9/12加筆)
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