渡辺淳一 著
「花埋み」 拝読。
こういう作品を読むと
性愛小説作家! なんていう
呼び方をされていたのは
間違いじゃなかったのか、と
思います。
日本で最初の女医となった
荻野吟子の評伝的
長編小説。
不幸な最初の結婚
苦難だらけの学問の道
掴み取った医師としての人生
世の中との摩擦・・・
医師であった渡辺氏ならではの
切り込みも素晴らしいし
明治時代にこうして
道を切り開いてくれた人が
いたから、女性の生き方は
少しづつでも
広がったのだよなあ、と
なんだか
手を合わせたいような
気にさえなりました。
素晴らしい女性の
一代記なのですが
面白いなあ、と感じたのは
ここまで自立した意志のある
女性を主人公に据えながら
女は
「男を受け入れる
受動の性である」
ということを
書いているのですね。
これって
のちのちに書かれた
「性愛もの」のベースになっている
渡辺氏の考え方だなーと
思いました。
現実に女性は
男を受け入れるだけの
受動的な存在なのか否かは
また別の話として
このブレのなさは
さすがです。
(DJ KAZURU)
Add A Comment