HUTSON 117
Leroy Hutson
1994 JICK-89452
1.ALL BECAUSE OF YOU
2.I BLESS THE DAY
3.IT'S DIFFERENT
4.COOL OUT
5.LUCKY FELLOW
6.CAN'T STAY AWAY
7.SO MUCH LOVE

非ラテンものを堂々とこの場で取り上げることへの
若干の抵抗感はあるのですが、私が
ラテン音楽において重視しているものは何か、ということを
示すためにもリロイ・ハトスンは、いちど紹介しておきたかったのです。

ライナー・ノーツから略歴を抜粋させていただきますと
リロイは1945ニュージャージー生まれ。
ワシントンDCのハワード大にて音楽を専攻(同期は、かの
ダニー・ハサウェイ)。
ソウルの偉大なグループであるインプレッションズのリード・シンガーとして
カーティス・メイフィールドの後釜となる。
1973年、ソロとして独立。作詞・作曲、ピアノ、歌とマルチな才能を開花
ということですが、それはとりあえず
どうでも宜しいのです。
この一枚を耳にすれば充分なのですから。

まず、度肝を抜くのは♯1。
期待感たっぷりのドラムでつかみはOK。
セクシーなボーカルに絡むのはグルーヴするベース。
いやがおうにも高まるムードを醸し出すストリングス。
更には
ブラスが入ってきたときの興奮倍増ぶりといったら
眩暈がしそうなくらいです。

ソウルの歌物としては7分の大作ですが、
カットすべき無駄な音など何処にもなく、この一曲が
まるでドラマのよう。

さて、これを聴いて頂いても
’私がラテン音楽で重要視すること’といっこうに
結びつかないと感じた方もいるかもしれません。
なにせソウル・ナンバーですから。
しかし私にとってはこれが同じことなのです。
このように都会的でセクシュアルでセンシュアルな
世界の構築を目指しています。
道具が異なったというだけ。と申し上げればいいかどうか。

♯2以降も「腰砕け名曲」のオン・パレードとなりますが
♯5は少し音楽を色々と聴いてきたことを自認なさる方なら
一度くらいは耳にしたことがあるでしょう。
その昔、私は夜も明けようという時間帯のシメの一曲として
これを頻繁に選択しましたが、一瞬にしてセンスのよい人に
なれてしまったものです。
DJとしたら相当安い手ですが、そういった吸引力のある曲を
生み出したリロイの才能はやはり明らか。

今回記載したCD盤は、1994年に復刻されたものですが
そのほかにも復刻アナログ盤や、CDの廉価盤など
現在は色々な体裁にて、販売されている作品です。
誰もが知っているようなソウル・シンガーではありませんが
スター性にほんの少しばかり欠けていたとしても
彼の普遍的なクールさは偉大です。
私は、初めて聴いた時のショックから
今も抜け出せずに酔い続けています。

(DJ KAZURU ★ 2007/02/26)

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