VIVA! FANIA from Cafe Apres-midi 130
V.A.
2007 V2CP 5008(V2)
1.ESTOY BUSCANDO A KAKO / Alegre All Stars
2.JAZZY / Willie Colon
3.MY FAVORITE THINGS / The New Swing Sextet
4.NICA’S DREAM / Sabu
5.FEEL LIKE MAKIN’ LOVE / Ricardo Marrero and The Group
6.MONGUITO’S THEME / Monguito Santamaria
7.LOVE BEADS / Ray Barretto
8.JULIANA / Johnny Pacheco With Daniel Santos
9.SI POR MI LLUEVE / Cheo Feliciano
10.USTED ABUSO / Celia Cruz with Willie Colon
11.SIN TU CARINO / Ruben Blades
12.SON SABROSON / The New Swing Sextet
13.SKINNY PAPA / Willie Colon
14.PETE’S MADNESS / Pete Rodriguez
15.RICHIE’S JALA-JALA / Richie Ray
16.EL REGRESO / Joe Bataan
17.YOU MAKE ME FEEL / Benitez
18.SONG FOR MY FATHER / Bobby Valentin
19.JUMPIN WITH SYMPHONY SID / Ray Rodriguez & His Orchestra


自覚している人も多いでしょうが
この15年の間、我々日本人の音楽的美意識は
サバービア・橋本徹氏に、かなり
植え付けられたのではないかと思うわけです。

「マニア」という言葉に込められている、いわゆるオタク、コレクター的
はたまた研究者を髣髴とさせる聴き方が「深い」とされていたところへもってして
彼らはフリー・ソウルの概念と共に「洒脱」な聴き方こそが美しいのだという
文化を日本に根付かせたのです。

限定盤を有しているとか、誰それの作品は全て揃えているとか
そんなことが自慢か? とサラリとかわすように(本人そのものは
オタクに違いないとしても)サバービアな聴き方は世の中を(おそらくは
渋谷を中心として)席巻しました。

このコンピレイションは、そんな洒脱なサバービアがラテンを斬る、という
企画です。
FANIAレーベル音源に限られてはいますが、例えばサバービア的なる物を
キューバン・ティンバからみつくろって戴いてもどうにもなる訳ないので
これは問題ではないでしょう。
一つ一つの楽曲が全て優れているとは思いませんし、この他の選択が
なかったのだろうかと言えば、そんなことはないでしょう。しかし、それでも
このセレクションは美しいです。

私の愛する♯4「NICA’S DREAM 」も収録されていますし(よくぞ
これを入れて下さいました)、ロバータ・フラックの♯5や
♯17など、名曲ラテン・カヴァーがなんともよいのです。
そう言うと、なあんだという向きもあるでしょうが、これこそこのテのコンピを
爆発的にヒットさせてきた氏の真骨頂ではないでしょうか。
だってこれらはfree soul シリーズのどこかに紛れ込んでいても
違和感のない楽曲なのです。

FANIA盤のCD再発が続く昨今ですが、こういう解釈もアリなのだということは
オリジナル・アルバムをひたすら聞いているだけでは気が付きにくいものです。
ここにおいてはFANIAレーベルの知識など併せ持つ必要さえもないのですから。
氏はこの作品を「ジャジーでメロウでハートウォーム」と述べていますが
仰るとおりで御座います。

(DJ KAZURU ★ 2007/06/04)

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